育児休業を終えるとき
4月1日の話
息子のいないリビングには、散らばったオモチャが寂しげに転がってます。
私の育休が始まってから6ヶ月、この部屋がこんなに静かに感じたのは初めてです。
今日から息子は保育園で、新しい生活をスタートさせています。泣いてないかな?先生に迷惑かけてないかな?と心配です。
「4月からは保育園だよ」と言い聞かせてきたものの、まだ1歳4ヶ月の彼にはなんのことやら分からないまま、今日の朝を迎えていました。
月に1~2回、保育園の開放日に遊びに行ってたので、場所慣れはしていると思いますが、やはりソワソワします。
出産の感動を味わったのがついこの間だったのに、息子はいつの間にかもう一人で歩くようになりました。未だに「デタ!デタ!」を連呼していますが、少しづつ色々な発音ができるようになっています。
こんな風にどんどん成長していつか巣立つ日が来るのだろうと思うと、寂しくなってしまいました。
二人で過ごした時間が終わるとき
先日、洗濯物を畳みながら、よくEテレで流れている「パプリカ」を口ずさんでいると、ふいに彼が立ち上がり、両手を上げたり振ったりを始めました。
いつもテレビでこの歌が流れると踊りだすのは知っていましたが、私の口ずさんだだけの曖昧な音でも踊れるんだと少し驚きました。
「喜びを数えたら あなたでいっぱい」
私が好きな部分の歌詞を口にしたとき、この6カ月で作った思い出がフラッシュバックしました。
よく気分転換にドライブをしたし、いつもの公園駐車場でお弁当を食べて、芝生の上で歩く練習をしました。夕方はいつもママが恋しくなって、泣きながら帰りを待ちました。
彼と一緒に作った思い出の一つ一つが輝いていて、あの時に見せてくれた笑顔や涙が本当に愛おしく、それでいて二度と戻らない時間であることに寂しさを感じました。
「そうそう、パパの歌でも踊れるんだな。すごいなぁ…」
褒める言葉が涙声になり、この大切な時間がもうすぐ終わることを心に突きつけて来ます。
出来ることがどんどん増えていく息子が、遠くへ行く感覚がありました。
こうやって子は少しづつ親から巣立ち、親は子供を見送るんだな、と思います。
これからはその連続なんだから今から泣いてんじゃねぇよと自分に言い聞かせますが、まだ巣立ち慣れしていないペーペーの父親なので許して下さいと、誰かに謝りました。
彼と2人きりで過ごした時間は何物にも替え難い大切な時間になりました。
人生で子供と過ごす時間は限られている
これからはずっと、一日の大半を親と離れて過ごす人生です。
大きくなるにつれて、親と一緒に過ごす時間なんて減っていく一方なわけですから、彼と濃密な時間を最大限で過ごせるのは今でした。そのチャンスがあるうちに育児休業をとってよかったと心から思います。
これからの生活について、妻と家事育児を協力してやっていく自信もつきました。一時的にせよ主夫にならなかったら、「本当の分担」というものに気づかないまま、何となく「イクメン」の顔をして彼女に負担させていたかもしれません。家事育児をメインでやることで気づけたことが沢山あったので、それを忘れずに過ごしていきます。
今月の中旬になれば、私も職場復帰します。
私の育児休業を見てきたこのリビングも、これからは静かに住人の帰宅を待つのだなと、変に哀愁を漂わせます。
これからは、人生で限られた家族の時間を大切にしながら、息子の成長を見守っていきます。このブログを読んでくださった方(特に男性)に、子供とマンツーで過ごす事の素晴らしさが伝われば幸いです。
最後まで読んでいただき、ありがとうございました。