「イクメン」という言葉が果たした役割
褒められて気づいた自分に足りなかったこと
育児休業が終わる頃、実家でオムツ替えをしていた私に母が声をかけてくれました。
「あんた、半年よく頑張ったね」
駆け抜けるような半年間、私の育児を近くで見守ってくれた家族から貰った言葉は心に染みるものがありました。
「そうか、オレは頑張ったんだ。」
と、自分の育児休業に誇りを感じられるきっかけになったと思います。
でも、そういえば、
育休を取っていた頃の妻は、初めての育児に四苦八苦しながら小さな息子の命を育ててきました。その努力や頑張りを褒めてくれた人はどのくらいいたのでしょうか。
少なくとも私は、育児に関して彼女の頑張りを讃えたことは
ありませんでした。
「イクメン」という言葉が果たした役割
先日、たまたまテレビで「イクメンという言葉はおかしい」と訴えるママさんタレントを見かけました。男性がやって褒められることは女性は当たり前にやってる、という話です。
たしかに、家事も育児も夫婦2人でやるものなのに、パパだけ注目されるのはおかしい。女性の側から不満が出るのは当然でしょう。
男性が褒めてもらえるのは今まで男性がやって来なかったから。
褒められたからと言って、ほくそ笑んでてはいけないのです。
しかし、イクメンという言葉が果たした役割は大きいと思います。
「育児は女性がするもの」という価値観が当たり前だった時代に風穴を開けたのですから。
大切なのは知ってもらうこと。そういう考え方もあるんだよ、と社会に少しずつ認知してもらうことです。
そう言った意味で、イクメンという言葉は男性育児のPR大使として大きな役割を果たしました。
それがこういう風に批判の対象になってきたのは、まさに、男性の育児参加が社会に浸透し始めたという事ではないでしょうか。
価値観が変わる過渡期に、よく頑張ってくれたと思います。最初は旧態依然のオッサン達に馬鹿にされ、最近は味方だと思っていた女性達にも批判され、もうズタボロです。でもあと少しだけ頑張って欲しい。そして消えて欲しい(酷い)。
イクメンという言葉が無くなった時は、今よりももっと、男性の育児参加が当たり前になっているでしょう。
感謝
私を褒めてくれた母も、同じように誰かに育児の頑張りを褒められた事はなかったでしょう。
むしろ「育児は女性の領域」と思っていたのかもしれません。
それでも今は、私の「男性の育児」を手助けしてくれます。
自分が生きてきた時代の価値観を現代に押し付けず、見守ってくれる母には感謝しかありません。ありがとう。
私も、褒められて気持ちよくなってるうちは、まだまだです。
明日の朝、息子が起きたらまた育児の始まりです。少しずつ本当の分担を目指して行きます。