PAPA pa pa pa

パパが6カ月の育児休業をとって知れたこと

毛布をかけた分だけ染み込む愛情

 

 今年の冬は暖冬になるようだと、天気予報が伝えています。

 

 12月中旬を過ぎてもほとんど雪は降らず、肌を刺すような寒気は感じられません。このまま過ごしやすい日々が続けばいいと思う反面、新潟の冬の景色に雪が無いのは寂しい気がします。それにきっと、ドカッと積もる時が来るのだろうと覚悟している自分もいます。

 

 育児が始まってから3度目の冬が来ます。寝ている息子を起こさずにスリーパーを着せるのも上手くなりました。やはりこういった事は慣れが必要です。

 

 暖冬といっても、夜は冷たい空気に包まれる我が家の寝室。寝相悪く掛け布団を蹴り上げては抜け出す息子に、寒いだろうと何度も毛布を掛けますが、気づくと剥がれています。毎晩、毛布を掛けては跳ねのけるの繰り返しです。

 

 思い出すのは小学生の時の、母との思い出です。

 

 冷えた子供部屋に、押し入れを改造した二段ベッド。上が兄、下が私。

 「今日もサンドイッチにして」とリクエストする私に、「はいはい」と微笑む母の顔が記憶に残っています。母は、毛布を二つ折りにし、その間に私の身体を滑り込ませ、さらに上から丁寧に掛け布団を掛けてくれました。冷たい布団が自分の体温で温まっていく感覚が心地よかったです。

 「明日の朝起きたら雪が積もっているかもしれない」

 初雪の季節は毎晩ワクワクしながら眠ったものです。

 

 毛布をかけた分だけ子供に想いが染み込んで行くような気がしています。

 

 もちろん本人はぐっすり眠っているわけですが、それでも期待してしまうのは親のエゴでしょうか。いつか彼が大人になって育児をする時が来たなら、「そういえば両親にこんな事をしてもらってたな」と思い出すことを期待してしまいます。子供に見返りを求めているようで恥ずかしいです。

 

 しかし本当は逆で、毛布を掛ける度に愛情が染み込んでいくのは親の方かもしれません。

 

 出産時の喜びが最高潮であるように思われますが、「そして父になる」のように本当に親になるのはその後、その子に愛情を注ぐ時間であって、親になっていくとともに子供に対する愛情が日々醸成されていくのではないでしょうか。

 

 それを象徴する行為の一つが毛布をかけること。寒い季節だけにおこる特別なことです。それぞれの季節で日常の中に溶け込む愛情表現は、気づかないうちに子供にも親にも染み込んでいくと思いたいです。

 

 あの時の母は、今の私のように寝顔を覗いては微笑んでいたのでしょうか。

 また今夜も、世界中の寝室や子供部屋で、子供に毛布を掛けた回数分だけ親になる人々がいることを想像するばかりです。

 

おわり

 

 

vyamax.hateblo.jp

 

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